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英国のデザイン政策を調べていたら、色々考え始めた。1:redfrog greenfrog STUDIO

  • redfroggreenfrog
  • 11 分前
  • 読了時間: 4分

展示会ブースデザインの仕事をしていると、いつも考えることがあります。


「企業が伝えたい価値とは?」


展示会では、単に商品を並べれて終わる企業は稀です。おそらくは、企業が何を作っているのか、どんな技術を持っているのか、そして、その先にどんな未来を描いているのか、などなど、それらを読み取り、来場者が体験できる空間を作ることを望まれます。


独立まも無い頃、とあるデザイン団体に加入しました。あるとき、その団体のトップは「年を重ねるにつけ、ソーシャルワークが大事になる」と。おそらくは、「年を重ねるにつれ、自分の仕事が社会とどう関わるかを考えるようになる」いう真意であったと思いますが、その頃はクライアントワークをこなすのみで、「社会に良い影響を与える」など考えもしない人でした。しかし、言葉に触発された私は、何か自分ができることは無いかと調べるうちに英国のクリエイティブ産業政策を解説したテキストを目にしました。


三菱UFJリサーチ&コンサルティングの太下義之氏による、英国の「クリエイティブ産業」政策に関する論考です。


そこでは、英国がクリエイティブ分野を単なる文化活動としてではなく、産業政策の一つとして捉えてきたことが紹介されていました。デザイン、映像、ゲーム、音楽、建築、広告。一見すると、それぞれ独立した分野に見えるものを、経済活動として捉え直し、社会の中で価値を生み出す仕組みとして育てていく。その考え方が、とても印象に残りました。


その後、さらに調べていく中で、何度も出会う言葉がありました。「Creative Cluster(クリエイティブ・クラスター)」です。最初、この言葉から想像したのは、クリエイターが集まる場所でしたが、調べていくと、少し違うことに気付きました。Creative Clusterとは、単に人が集まる場所ではありません。大学、企業、行政、研究機関、クリエイター、投資家など、異なる立場の人々が関わりながら、新しい価値を生み出していく「仕組み」そのものだったのです。


そこで、自分の中で問いが生まれました。「このような仕組みは、日本でも作れるのだろうか。」そんなことを考えてゆくうちに、細々とした事象に関する疑問が溢れてきて、個別の単語を解説してもらいつつ、だんだんとやり取りが多くなり、AIとの対話がいつの間にか始まりました。


「英国のCreative Clusterの仕組みを、日本でも応用することは可能でしょうか。」


返ってきた答えは、少し意外なものでした。


「その前に、一つ考えてみる必要があります。」


「何でしょう?」


「英国を作りたいのですか。それとも、日本に合った仕組みを作りたいのですか。」


その問いに、少し考え込んでしまいました。確かに、英国には学ぶべき点があります。しかし、目的は英国を再現することではありません。日本には、日本ならではの資源があります。世界に誇る技術を持つ企業があります。地域に根付いたものづくりがあります。高度な研究を行う大学があります。そして、さまざまな分野で専門性を持つ人材がいます。事情は異なりますが、日本にも必要な要素は存在するはずです。


では、なぜ英国では、それらが新しい産業や価値創造へ向かう流れが生まれやすいのか。調べていく中で感じたのは、英国が特別なものを持っていたからというよりも、「人と知識を循環させる仕組み」を意識的に設計していたことでした。


考えてみれば、これは展示会の仕事とも似ています。


企業には技術があります。しかし、その技術の価値は、ただ展示するだけでは伝わりません。誰に届けるのか。どのような未来につながるのか。社会の中でどんな意味を持つのか。それらを翻訳することで、初めて価値として伝わります。もしかすると、これから重要になるのは、単に専門分野を深めることだけではなく、異なる分野をつなぎ、新しい意味を見つける役割なのかもしれません。


企業と研究。技術と市場。地域と世界。それぞれの間にある距離を縮め、新しい関係を設計する人。


英国のCreative Clusterを調べていて、最初は「英国には興味深い仕組みがある」と思いましたが、今では少し違う思考になっています。英国の政策を真似る、ではなく、「日本にすでに存在している価値を、どのように循環させることができるのか。」


この連載では、英国をはじめとする海外のクリエイティブ産業の事例を調べながら、日本においてどのような可能性があるのかを、思考実験考していきたいと思います。


明確な答えがあるわけでは無いと思います。


むしろ、問いを深めていく過程そのものが、一つの創造的な実験になるのかもしれません。


次回は、英国のCreative Clusterが、単なる「場所」ではなく、どのようにして人と知識を循環させる仕組みになっているのかを見ていきます。


※この連載は、筆者とAIとの対話を通じて生まれた思考の記録です。

 
 
 

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